<寝言>

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ローは乱れたシーツを整えると、気を失ったまま目を開かない名前を抱きしめた。

伝わってくる体温や、微かに聞こえてくる呼吸音が、すぐ傍にいるんだということを実感させてくれる。
全てが愛おしい。

(...激しすぎたか?)

ちょっとやりすぎたかもな、と疑問が頭をよぎる。もしかすると、こんな愛の伝え方は間違っているのかもしれない。
だが、飾った言葉で伝えるよりも、行動に移すほうが遥かに伝わりやすいと思う。

大好き。愛してる。
何度言っても、何度伝えても足りない。

「名前。」

起きたら、名前はなんて言うのだろうか。見てみたかったんだ。愛に溺れていく名前を。きっとインパクトダイアルなんてものを許可無く使ったことを怒るだろうな。だが、怒った顔も可愛いだろうな。
ローは小さく微笑む。

「おやすみ。いい夢を見ろよ。」

もう一度だけ、優しく抱きしめた。
ローは自分の腕の中で眠る名前の頭を撫でながら、眠りにつく。ここに存在しているのは何一つ偽りのない裸の愛。

名前の指にはめられた指輪が淡く光った。
















「ん...。」

窓から朝日が差し込んできていた。重たい瞼を擦りながら、名前は起き上がる。横には気持ち良さそうに眠るローがいた。

「っ痛。」

腰に走る痛み。いや、腰だけじゃない。身体のあちこちに痛みが走る。特に秘部がひどい気がする。

「そう言えば...。」

何度も何度もローを受け入れて、えと。最後は...あぁ、そうだ。インパクトダイアル!あれを使われて、どうなったんだっけ。記憶が無い。

ロー!?と大きな声を上げて、ローを叩き起こす。なんでインパクトダイアルなんて使ったのよ!と問い詰めるが、寝起きの悪いローはなかなか起きようとはしない。

「ちょっと、聞いてる?」

「...朝から、うるさい。」

「ひゃあっ。」

身体に圧し掛かるローの重み。自分よりも大きな男の身体はどれだけ力を入れても、びくともしなかった。
何度も名前を呼んだが、返事は一向に返ってこない。スース―と耳元で聞こえる寝息が、ローが再び眠りについたんだということを知らせる。

「はぁー...。」

名前は溜息を漏らしたが、漏らしたところでこの状況が変わるわけでもない。仕方ないなァ、とスヤスヤと眠るローを抱きしめる。

しばらくした後、モゾモゾと動く彼が発した寝言に名前は笑みをこぼした。

「もう。...ロー、私もだよ。」







「ん......名前、大好き。」









Fin.





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