「氷の遣いと協力者」




(夢についての報告)
 いつもと同じような、でも少し違うような。そんな夢を見た。あぁ、前に見た靄が掛った夢に似ている気がする。
 俺が誰かを、励ましていた。おそらく、いつも夢で見ている女の子だと思うが。

「大丈夫だ。俺が保証してやる。だから安心しろ」

 そう言って頭を撫でていた。その子は、おかしそうに笑っていた。




 今日はとても寒い場所まで行った。そして、今回もまた手強い相手に会うことになった。
 その場所をリフィネは「寂しい場所」と言った。まあ、雪が一面中広がっている、それ以外は何もないといっても過言でないくらいの場所だったのだから、仕方ないのかもしれない。

 リフィネは「寒いぃぃぃぃぃぃ……」とブルブル震えていた。しかしどうしようもないので、バッグにあったスカーフを渡しておいた。まあ首にでも巻いていたら少しくらいはマシになるだろう。
 そのまま進んでいると、樹氷を見つけた。綺麗だったが、これを抜けるとなるととてつもなく長い時間をかけることになりそうで、嫌で嫌で仕方なかった。

 そこもまあリフィネが不利で、俺が有利という訳でもなかったので、ちょっと苦戦した。それに何より寒さで手元が狂いそうになった。
 暑すぎるのも寒すぎるのも考えもんだな。そう思った。

 そのまま進んでいると、途中で何かが聞こえ、俺とリフィネが立ち止まった。
 そして、また伝説のポケモンが現れた。フリーザーの、リヴィン。「此処から先に通すわけには行かない」そう言って襲い掛かってきた。

 リヴィンは「氷の遣い」と言っていたのですぐに分かったが、氷タイプの技を中心に攻撃してきた。
 効果抜群であるリフィネが喰らうのが危険なのは当たり前である。だから俺ができるだけ前線にたち、リフィネにはサポートをしてもらった。
 まあ一筋縄ではいかなかった。因みに今は技を喰らった左前足がヒリヒリする。

 何とか倒したが、リヴィンは「どんどん此処は暖かくなってきて、災害がおきている」と言った。
 リフィネが「自然災害はここだけでなく他の場所で起こっている」と説明したが、リヴィンは納得がいかないようだった。自然災害は俺たちのせいだと思っていたらしい。あれだ、ファンデと同じ感じだった。
 そしてまたリヴィンが襲い掛かって来そうになったとき、ある者がわって。入ってきた。

 それがアブソルのソレアだった。ソレアはリヴィンと知り合いだったらしい。
 元々アブソルという種族は禍を察知する。そして今回は自然災害の禍についてすぐに察知し、今回の自然災害がおかしいということに気付いて調べていたらしい。
 どうやら、ソレアも俺のことは知らないようだった。追われているのは知っているらしいが。

 ソレアが俺とリフィネは自然災害には関係ないと言うと、ようやく信じたリヴィンはそのまま飛び去った。
 そしてソレアは自然災害を食い止めるために協力すると言った。正直ありがたかった。2匹だけで此処まで来るのも結構しんどかったから。

 そしてそこから少し進んだ、雪が凌げる場所に今はいる。リフィネはもう寝ている。ソレアは目を閉じているだけで、寝ているのか寝ていないのか分からないが。
 もう寝よう。……この生活はいつ終わるのだろうか。





 

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