ぷろろーぐ


「みんな、いくよ!!」

 そう言ってとび出していく彼女。それは、私の憧れ。
 明るくて、笑顔が耐えない、皆を引っ張っていく、そして元気よく冒険に行く彼女。

 私は何もできないから、彼女のようにはなれない。だから、そんな彼女に私は羨ましくて、憧れて、ずっと彼女みたいにって夢を見ていた。

 いつか、そんな彼女のようになれると言ってくれた人がいた。
 いつも笑顔が耐えない人。温かくて、優しくて、彼女とは違うけれど、どこか彼女と似ている人。私をずっと元気づけてくれた。

 私をずっと支えてくれた人がいた。
 何かできることを探して、私に色んなモノを見せてくれた人。挫けそうなときに私を叱ってくれた。とても人のことを思いやることが長けていた人。

 もう、私の隣にはいない。

 もう、元気付けてくれる人はいない。もう、叱ってくれる人はいない。
 どうしていなくなってしまったか分からなかった。私がいい子じゃなかったからかもしれない。私がたくさん我儘を言ったからかもしれない。私が、私が、その思いは止まらない。
 悲しくて、寂しくて、会いたくてたまらない。でも、それを口にするのが怖かった。 



「――うそつき」



 そう言い続けて、自分を保とうとしている。
 ごめんなさいの言葉は、とてもとても小さくて、誰にも、何にも聞こえはしない。

 ずるくて、酷くて、自分のことしか考えいない私。そんな私を見たら、あの人たちはどう思うだろう。怒るのだろうか、軽蔑するだろうか。
 こんなことをしている私は、絶対に彼女のようになんてなれない。

 そんな彼女が、最後にいう台詞。

「いこう。世界の、皆の、私たちのために」


 ――最終決戦へ。


 そんな彼女のかっこいい台詞を頭に浮かべながら、私は変わらず届かない空を眺め続ける。



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