うさぎ


三人が入った部屋は芸術的な作品や不気味な作品がある部屋ではなくうさぎの置物とうさぎの絵画が置いてある部屋だった。今まで出会ったものより断然可愛い。名前は思わず可愛いと声に出してしまう。

「…私はなんだか嫌な予感しかしません」

そう言った牧野の表情は暗い。名前は牧野がそんなことを言うのが意外だった。

「そうですか?可愛いですよ。ね、宮田さん」

「俺に振られても困るのですが…まあ可愛いじゃないですか」

「可愛い…ですか…」

ウサギの置物を牧野はじっと見つめるが、数秒立たずに目を逸らす。

「すいません…やっぱり…可愛いって思えないで す」

「…そうですか」

「センスの違いですね仕方ないですよ名前。牧野さんのセンスがあれだったんです」

「それって私がセンス悪いってことですか宮田さん!?」

「…さあどうでしょう」

あせる牧野に素知らぬ顔をする宮田。名前はおかしくて笑ってしまう。

「名前さんまで…!けど、と、とにかく鍵は見つけたんですから早く出ましょう…!」

からかわれても否定するよりよほどこの部屋から出たいのだろう牧野は宮田と名前を急がせてこの部屋を後にした。






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