落とし穴


「この中入るというか落ちるんですか…?」

穴の中を覗きこむ二人。中は真っ暗で底が見えない。いかにも怪しい扉を開けるための鍵がこの穴の中にあるらしいが、どこまで深いのか分からないので、飛び込むのには躊躇してしまう。

「鍵があるらしいですから行くべきですけど…底見えないですね…」

どうしましょうと牧野は苦笑した。

「縄とか探しますか?」

「けど縄ここにくるまでに見たことないですね」

「…なら覚悟しないといけないってことですよね」

「名前さん飛べますか?」

「あと少し覚悟する時間が欲しいです…牧野さんは?」

「私ももう少し時間が欲しいです」

「ですよね」

牧野と名前は顔を見合った。宮田がすぐそこまでいるかもしれないと思ってはいても、飛び込む覚悟はすぐにはでない。

「俺が押してあげましょうか?」

「え?」

第三者の声がした二人がそう思ったと同時に背中を押され、暗い穴へと落とされてしまった。








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -