豹変


(どうしてこんなことになったんだろう)

念のためにと手に入れたナイフを宮田から向けられている。牧野と別れた時から宮田ははどこかおかしかった。

(さっき私が一人で別の部屋に行った時が一番様子がおかしかったな)

声をかけても黙り込んだまま宮田は動かなくてもう一度声をかけようとしたら笑い出して階段のある方へ行ってしまったのだ。それで慌てて追いかけるとナイフで美術品を切り刻んでいる宮田を見てしまった。
様子がおかしいだけではない異様な行動に名前は声をかけることが出来なかった。だが、宮田は彼女に気づいて美術品に向けていたナイフを今名前に向けている。
ここまで美術品に追いかけられたことはあっても直接命を狙われたことはない。ナイフを向けられた名前は声を出すことも出来なかった。

(牧野さん…)

今ここにはいない名前を心の中で呼んだ。この状況を助けてくれそうなのが彼しか浮かばなかった。目を閉じるとかすかに足音が聞こえた。
宮田が舌打ちをする音がする。

「来ましたか…牧野さん」









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