先へ


「…見つかりませんね」

結論を言えば先に進んだ部屋には牧野と分断させられた壁を取り除けそうな装置も壊せそうなものも見つけることが出来なかった。

「では、戻らないとうるさくなりそうですし戻りますか」

頷こうとしたら、ガチャリと鍵がかかる音がした。宮田と顔も見合わせ入ってきた扉を調べてみたが、ドアノブを何度も回しても扉は開く気配はない。入った扉は開かなくなってしまった。

「さっきまで開いてたのにどうして…!?」

「俺達に戻らせたくないのでしょう…先に進むしかないな」

入ってきた扉とは別に扉があった。こちらには鍵はかかっていないようだ。

「けど牧野さんは…」

「先に行けばまた合流出来ますよ。ここを開ける手段も手に入るかもしれません」

「…そうですけど」

「ここでじっとしていも時間の無駄になりますよ」

宮田の言っていることは正論だった。牧野は心配だが、先に進むしかない。渋々名前は頷いた。次の扉へ行く前に宮田が少し待ってくださいと名前を止めて段ボールの中に入っていたナイフを取り出した。壁を壊す道具を探していた時に見つけたものだが、小さいので使えないと判断し元の場所に戻していたものだ。

「ナイフなんかどうするんですか?」

「何かの役に立つかもしれません…一応の用心ですよ」

そう言いながら宮田はポケットにナイフを仕舞いこんだ。









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