分断


うさぎの部屋で手に入れた鍵。戻った通路の先に鍵の掛かった扉があるので、早速その鍵が使えるか試すために戻ろうとした時に地面が揺れ、何かが動く音が聞こえた。

(…何!?)

色んなことを体験したが地震は初めてだった。思わず名前は固まってしまう。

「名前さん危ない…!」

「!?」

牧野の焦る声と同時に名前は力強く腕を引っ張られた。前に転けそうになったが引っ張った本人である宮田さんが名前を受け止めた。

「宮田さんありがとうございます」

「…いえ」

宮田から離れて後ろを向けば、名前がいた場所が格子状の壁が出来て塞がれていた。壁の向こうには牧野がいる。牧野のいる側はうさぎの部屋以外何もない。牧野は閉じ込められてしまった。

「牧野さん大丈夫ですか!?」

「私は大丈夫です。名前さんこそ怪我ないですか?」

「私は大丈夫ですけど…」

「分断されましたね」

宮田は壁を調べながら言った。
「これを壊すのは不可能です。こちらにはスィッチのようなものは見当たりません…そちらには何かありますか?」

「いえそれらしいものは…」

「もしかしたらこの先の部屋に行けば何かある」

名前の手にはさっきの部屋で手に入れた鍵がある。それで名前たちがいる側の扉の先へ行けば何か壁を取り除ける装置か道具があるかもしれない。

「危険じゃないですか…?」

「宮田さんもいますし大丈夫ですよ」

「何もなくてもすぐに戻ってくれば問題ないでしょう」

「…ではよろしくおねがいします」








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