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 もふもふDAY


真っ黒なネコミミと同じく真っ黒な尻尾を装備してる牧野さんが私の家にやって来たのはついさっき。最初見た時、牧野さんコスプレする人だっけと現実逃避をしてしまった。自分の頬をつねってみて痛みを感じて、あ、これは現実なんだと認識した。
ひとまず、家に上がってもらって牧野さんに猫耳はぴくぴく動いて、尻尾もふわふわ揺れている。落ち着きのない彼をそのまま表しているみたいで楽しい。
「その耳とか尻尾とかどうしたんですか?」
「…分かりません。朝起きたらこうなっていました…」
しょんぼりした牧野さんに同調して猫耳も尻尾もしょんぼりする。
その姿を見て思わず可愛いと思ってしまった。私より年上の男の人がする行動ではないけど、この人がやれば似合ってしまう。そして今はオプション付きだ。だから可愛いと思ってしまったのは
仕方ない。
「宮田先生の所行きます?」
「なるべく行きたくないです…」
「ですよね。とりあえず今日一日は私の家にいますか?」
「いいんですか…?」
「無理ですって追い出すなんて私には出来ませんよ」
捨て猫みたいに放り出すなんて出来るはずがない。それに…。
「牧野さんを一日独り占め出来てもふもふすることも出来るってすごくお得なので追い出すなんて出来ません!」
実は尻尾をすごく触ってみたくなっているんだ。一回だけじゃなくずっともふもふ出来るなんてこれが最後かもしれないなら、やらなきゃ損だ。
「え?え?苗字さんに独り占めされるのは嬉しいですけど…もふもふって何するんですか!?」
急に変なことを言いだした私に慌てている牧野さん。そんな彼に私は笑顔を向ける。
「尻尾触らせてください牧野さん?」
今日は一日牧野さんもふもふタイムだ。



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