「起きてー!名前ちゃん!!朝だよ!!」 シャッとカーテンを引かれる音と共に吊戯の声が響く。目だけをそちらに向ければ、清々しい顔をした彼がこちらを見据えていたので、「あと5分…」と言いながら再度布団に潜り込んだ。日頃はだらしなさの権化であるこの男は、何故か睡眠に関してはわたし以上に自立しているのだ。 「…もう、駄目だなあ名前ちゃんは、ずるいからオレも入る!」 言いながらもぞもぞと、体温がひとつ入り込んでくる気配がした。手を伸ばせばさらりとした髪に触れたので、わたしは大層安心してしまう。とんとんと背中を叩かれるリズムが心地よく、わたしは吊戯にぴとりとくっつき目を閉じた。あと5分だけこうしていたいなあ。 「…え、吊戯、もう10時なんだけど…」 「はっは!いっそここまでくるともう清々しいね!!一緒に塔間さんに土下座しよ!」 (この後滅茶苦茶怒られた) |