●臨也誕 | ナノ
HAPPYBIRTHDAY un HAPPYBIRTHDAY


その日は5月だというのにやけに暑くて、まるで夏のような、生温い熱気に包まれた1日だった。

折原臨也は池袋の街を一人歩きながら、じりじりと照りつける太陽を見上げる。どことなく生命を危うくさせるような、その暑さにため息をついた。まったく、まだ5月だというのに。
早いところ新宿に帰ることにしよう、そう思いながらふと、視線をショウウィンドウの方に向けた。そうして彼は、はたと動きを止める。

「…姉さん、」

そこには、白いスカートに麦わら帽子の、夏を思わせる女が映っており、こちらに向けてにこやかに手を振っているのだった。


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