孤高の女王
もし、私が女王でなければ。
自由に飛ぶ鳥になる。
一人大空を飛びどこまでも行くわ。
もし、私がただの村娘だったら。
平凡な男と恋をする。
結婚をしてささやかで質素な暮らしをする。
しかし、この国に己の身を捧げるしかなかった。
この美貌も政治のために使う切り札。
ミルク風呂に香水……
たとえ貧困に喘ぐ国民に暴君と罵られても。
夜は一人で眠る。
広いベッドに一人きり。
泣くことも許されない私は深夜に涙を流す。
常に人々に見られ品定めされ生きる。
もし、私が精神病を患っていたら。
心は解放されるのだろうか。
玉座には無数の刺が。
座る度に私を容赦なく貫く。
もし、子供のように泣きわめく事ができたら。
もし、もし……
考えても虚しいだけ。
私は茨の冠を頭に。
刺だらけの玉座に座り続ける。
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