ハヤオモの場合:恥ずかしがって逃げ出そうとする相手を膝の上にちょこんとのせて、そっと目尻に口づけをしました。
#ほのぼのなふたり
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 平衡感覚を失って、膝の上に乗る形に体勢を崩したオモイカネを、乗られたニギハヤヒは受け止めた。彼が済みませんと謝ってどこうとするのを、その腰に腕を回して止める。惑う彼を見上げながら、ニギハヤヒは笑いかけた。
「逃げることないじゃないか」
「いえ、逃げるというわけでは……」
「おれの膝の上は嫌か?」
「そういうことでもないのですが……」
 オモイカネは言い淀む。彼の言いたいことは無論分かっている。ただ少し意地悪なことを言って彼を引き止めたいだけだ。
 何となく察したのか、オモイカネはそのままおとなしくなる。ニギハヤヒはそんな彼を膝の上から足の間へと降ろし、目線の高さを合わせた。
 依然として戸惑ったままの彼の目尻に、そっと唇を寄せる。驚いて身動ぐ彼。丸くした目の下で頬を淡く色付かせるのを、間近で見つめた。






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