貴方は萌えが足りないと感じたら『膝枕をして照れているアズマのワカオモ』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください。 https://shindanmaker.com/524738 ふと目が覚めると、オモイカネに見下ろされていた。それだけならまだしも、頭にある感触を考えるにどうやら膝枕をされているようだ。予想もしない(寝ていたのだから予想も何もないのだが)状況に、アメノワカヒコは「はっ?」と素っ頓狂な声を上げてしまう。 オモイカネは泰然と微笑んだ。 「気が付かれましたか?」 「これは、どういうことなんだろう……?」 思わず問うと、彼は苦笑を零す。額や首元にまるで体温を確認するように手をやられ、その手の温さに体温が上がりそうになった。 「記憶にありませんか? 貴方は花廊の花に水をやっている最中に倒れられたんですよ。たまたま私が通りかかったから良かったものですが」 言われて、そういえば花廊の仕事をしていたことを思い出す。彼の言う通り、水やりの最中に眩暈を感じて、そのあとの記憶が全くない。いっそ水やりの記憶すら若干あやふやだ。 だからこの状況なのか。と理解しても、戸惑いが先に立つ。何故なら膝枕である。彼が惜し気も無く膝を自分に貸しているのだ。なかなかできることではないものなのに、彼は平気でそれをしている。 「この暑さです。十中八九、熱中症でしょうね。具合は悪くありませんか? 頭痛や吐き気があるようならば、スクナヒコさんを探してきましょう」 そう問われながら、団扇で扇がれた。そこでようやく彼が団扇を持っていることにも気付く。もしかして気を失っている間中、ずっとこうして扇いでいてくれたのだろうか。 そう思うと、申し訳ないのと同時に嬉しさで気恥ずかしくなった。熱中症とは別の熱が、体に篭っていきそうである。もう団扇の風では足りないくらいに熱い。 「そういうのはないよ。ありがとう……」 恥ずかしさで顔が赤くなるのを、さり気なく腕を持ってきて隠す。そよ風のように笑うオモイカネの声に、さらに羞恥を煽られた。小さな幸せに口元が緩んでしまいそうなのは、どうしたって隠せそうにない。 |