そんなことがあった、数日だった。
ぶち破る音と、唖然の音が鳴り響く。ナイトレイ家の部屋でくつろぐ嫡子、エリオットは目の前に現れた少年を見て叫ぶ。
そんな声など気にせずに、ズカズカと踏み込んでくる少年、オズ。
寝台に座るエリオットは、言いかけの言葉を落とす。

「貴様ッ…!何をや──」

吊り上がった目を更に吊り上げ眉間を寄せたエリオットの顔が痛みに歪む。
前触れ無く足を振り上げ、エリオットの肩に靴底をめり込ませるオズは口角を上げた。

「オレの従者を足蹴にするなんてさあ…。分かってんのかなあ。」

くつくつと笑い、目を細め投げかける言葉に優しさは見えない。楽しそうに、肩に入れる力を強める。

「っ──ふざけるな!」

食ってかかるエリオットの脇腹を靴先で抉る。痛みに表情は歪むが、言葉や精神は屈服する様子はない。

「黙れよ」


オズは再び不敵に笑う。






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