「これ結構おいしいんだ」

 学校帰り、コンビニに寄ってアイスキャンディを買った。田沼に差し出すと、彼はありがとうと受け取る。夏目は彼に気付かれないようにほくそ笑んだ。
 袋を開け、棒状のそれを頬張る田沼。それだけでも見た目に美味しい姿なのだが、今回彼に渡したアイスキャンディには伏兵が潜んでいる。夏目は厭らしくにやけてしまいそうな顔を精一杯引き締め、何事もないよう努めた。

「そのアイス、かじってみろ」

 夏目の思惑など露知らない田沼は、言われるがままにがり、とアイスキャンディに歯を立てた。

「んッ?!あ……」

 田沼の口からとろ、と零れた練乳に、夏目は自らの体の影で小さくガッツポーズをした。
 アイスキャンディの伏兵は、中に仕込まれた練乳。口端を伝うそれを手の甲で拭い、舌で舐めとる田沼に、夏目は汗を拭う振りしてつい零れた涎を拭った。予想以上のエロさだ。

「美味いだろ?」

「あぁ。練乳が入ってるなんて思わなかったけど」

 さらにはアイスキャンディを伝い落ちる練乳を、舌で掬い取るという姿まで見せた田沼に、夏目は限界を迎えそうになった。
 帰ったらこの男をどうしてくれよう。起き上がりそうな熱を宥めつつ、夏目は田沼のとは違うアイスキャンディをかじった。





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あぁ、なんて変態なんだ……(自分の頭が)






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