夢にうなされ気が付けば、酷く心配そうな顔をしたオズが視界いっぱいに映った。なんていう顔をしてるんだと、他人事のように思う。見慣れた悪夢を思い返す間もなかった。

「大丈夫?」

 身を起こしたエリオットに、オズが問う。その顔つきや声色の湿っぽさが、何ともいえず居心地が悪い。

「……何がだよ」

「スゴいうなされ方してたから……」

 やや突き放すように問い返せば、うなされた本人よりも項垂れる。まるで自分のことのように心配するオズの顔に、エリオットはむず痒い気持ちになった。心配されること自体は嫌ではないが、どうにも柄ではない。

「お前に心配されるまでもねぇよ」

「あいたッ」

 誤魔化すようにオズの頭を叩けば、彼は頭を抱えて恨めしそうに見上げてきた。それまでの湿っぽい空気が払拭されて、動きやすい雰囲気になる。

「うなされたから何だってんだ。たかが夢、だろ」

 シーツを払いながら言い捨てる。夢という言葉に若干の抵抗があったことは、どうか気付かないでくれと思った。
 床に足をつけ、立ち上がろうとしたとき、不意にオズに抱き締められた。抱きつかれたとも言える仕草に、エリオットは息を詰まらせる。気付かれたのだろうか。

「てめ、何すんだ!」

「オレがこうしたいだけ。だから、気にしないで」

 しっかり気付かれているようだが、気付かないフリをしてくれるようだ。気遣いが腹立たしいくらい優しくて嬉しい。どうすればいいか解らなくなる。

「……勝手にしろ」

「うん、勝手にする」

 頬の辺りをくすぐるオズの髪が、微かに揺れる。心安らぐような、でもどこか落ち着かない、複雑な感触だった。





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寝起きに思い付いたgdgdネタ。






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