「エリオットの腹チラ萌えー」 そんなことを呟きながら、オズはフェンスにだらしなく寄り掛かっていた。視線の先にはそのエリオットが、走り高飛びを背面飛びでこなしている。反った背筋の奇麗なラインに、オズは人知れず顔をにやけさせた。 「……何にやけてんだ、気色悪ぃ」 大した距離ではなかったものの、離れた場所からそれを見つけたエリオットが、眉をひそめながら歩み寄ってくる。半袖とハーフパンツから伸びる細くもしっかりとした手足に、オズは心中でうっとりと感嘆の息を零した。 「いやー、たぎっちゃって、たぎっちゃって」 「馬鹿かお前。つか擦り寄ってくんな!」 肩に腕を回して体を寄せたオズに、エリオットが頬を引きつらせて押し離そうとする。オズはその弱くもなく強くもない手押し加減に、にや、と頬を弛ませた。 「いやん、いけず」 むに、とエリオットの頬を突く。すると彼は途端にこめかみに青筋を立てた。 「鬱陶しいぞ馬鹿野郎ッ!」 怒鳴られる罵声を背に受けながら、オズはするりとエリオットから離れる。挑発するようににやりと笑うと、彼は敢えてその挑発に乗って追い掛けてきた。すぐに後ろからヘッドロックをかまされるものの、強くない腕の力のくすぐったさにただ肩を竦ませて笑った。 ‐‐‐‐‐ 腹チラ萌、ってオズなら言いそうだなーと思ってね。 |