大量のケーキがテーブルの上に広がっている。見ているだけでお腹一杯になりそうだ。リーオは思わず閉口した。
 エリオットはというと、好き嫌いなく何でも食べる人間なため、平気な顔をしてケーキを口に運んでいる。フォークも使わず鷲掴みで、ふんだんに使われた生クリームが指に付くのも構わず、食べている。

「行儀が悪いよ」

「誰も見てねぇからいいんだよ」

「僕が見てる」

「お前だけだろ」

 エリオットは小さな1ピースを三口かそこらで平らげ、指に付いた生クリームを舐め取っていく。なんてことはない、自分もよくやる仕草だ。そんな舌使いに目を奪われてしまう自分に、リーオは呆れ果てた。

(何を考えてるんだろ……)

 彼の食指は止まらず、綺麗になった指は新たなケーキのクリームに塗れる。一口を頬張った後、舌が口の端に付いたクリームをさらっていった。

(……食べたいな)

 生クリームに塗れた彼の指や唇や舌を、思う存分味わいたい。リーオはそんな思考に溜め息を吐き、忘れるべく手近な本へと意識を移した。





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オフだと結構行儀の悪いエリー推奨。






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