よく陽の当たるテラスに、エリオットはいた。柵に肘を突いて、何やら溜め息を一つ。その色付いた吐息に、恋煩いの面影を見た。
 愛されているなと、自惚れてもいいだろうか。ジャックはそっと笑みを押し殺す。

「どうしたんだい?エリオット」

 そんな甘い背中を後ろから包み込むと、驚いてさっと顔を赤くさせた。初々しい反応が、胸に心地よい。

「べ、別に何でもねぇよ」

 つん、とこちらに顔を見せようとしないエリオットに、ジャックは一つ笑みを零してそのこめかみに唇を寄せた。

「そうかい?私としては、今の溜め息の理由を知りたいのだけどね」





Please give me your sweety sigh.
(貴方の甘いため息を頂戴)






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