『お姉さん、坊やのことが気に入っちゃった』 コーラルピンクの柔らかい髪を揺らしながら、彼女は囁いた。どろどろとした甘さを孕んだそれは、エリオットの脳を鈍器で殴るがごとく揺さ振る。 『教えてちょうだい。君のこと、隅々まで』 首へと回されるたおやかな腕。鼻先まで近づいた白い首筋からは、今までに嗅いだことのない甘い香と、微かな血の臭い。麻薬のごときそれは、眩暈を誘発した。 『ね……?』 熱い吐息とともに舌で耳殻をなぞられ、エリオットは呼吸を止めた。 ‐‐‐‐‐ ロッティ姉さんに、エリオットを隅々まで可愛がってほしい。 |