名取が何やらPCに向かっている。ブログを始めたとかなんとかで、最近それに時間を割くことが多くなった。割りを食っているのは、夏目。 時間を持て余した夏目は、構ってほしい意思表示も兼ねて、名取を背中から抱き締めようとした。だが、現実はそう上手く行かない。 「どうしたんだい?夏目」 足りない身長で抱き締めるなどできるはずもなく、夏目は名取の背中に負ぶさる自分を悔しがった。何が悲しくて、好きな人の背中に負ぶさらなければならないのか。女子ならともかく自分は男子だ。そこに喜びなど見出だせない。 「……別に。暇なんで」 「別に、っていう雰囲気じゃないようだけど」 くすりと微笑む名取に、夏目は不貞腐れて彼を床へと押し倒した。油断していたせいか、簡単に倒れる名取の上に馬乗りになる。 「な、夏目……ッ」 何かを言おうとする口を、自分のそれで塞いだ。その瞬間の困惑に満ちた顔が何とも可愛らしくて、唇を押しつけたままにやりと笑った。 ‐‐‐‐‐ ついったーかもしれん。 |