「あれ?シズちゃん何持ってんの?」
「飴。さっき貰った」
「ふぅん……」
静雄の掌には"イチゴ味"と書かれた飴があった。
「…もしかして欲しいのか?」
ニイッと笑みを浮かべた静雄に臨也はピクッと反応するもついつい負けじと言った。
「…まさか!俺はそんな物要らないよ」
「そうか…折角欲しいならやろうと思ってたのになー」
「えっ?!」
「でも要らねぇのか、そうかそうか…なら俺が食べる」
ふふんと笑みを浮かべながら言う静雄に臨也は悔しそうな表情を浮かべる。ただそこで黙ってる折原臨也ではない。
そのままピリッと袋を開け飴を取り出した瞬間、臨也は素早く飴を奪い取り自分の口に放り込んだ。
「あっ!!」
「んー!やっぱ美味しいなー飴って」
コロコロ飴を転がし幸せそうに言えば静雄はそんな臨也の胸ぐらを掴み自らの方に引き寄せた。
「テメェ人の飴勝手に取りやがって……」
「取られる方が悪いんだよ」
そう言い見せびらかすように飴を乗せたまま舌を出した。
「そうか…じゃあ取り返しても文句は言えねぇよな?」
「はぁ?どうやって取り返す気さ。飴は俺が食べてるんだけど」
「ならこうすりゃ良いだろ」
そう言い静雄は臨也の唇に喰らい付いた。
「んむっ?!」
全く予想外の出来事に思わず開いた口から静雄の舌が入ってきた。
「あ、んん…っ…ふぅ…」
「はっ……」
暫く舌が絡み合った後、唇が離れれば臨也は息を乱したまま目の前の相手を睨み付けた。
「さい、あく……っ」
「ざまぁみろ」
「……あ」
ふと、口内にあった飴が消えているのに気付きハッと相手を見れば、してやったりと言う表情をしていた。
「何だよ、そんなに欲しかったのか?」
「別に…もういいよ」
そう言い外方を向けば静雄は素直じゃねぇなと苦笑した。
「…あ、それじゃあ二人で食べるか」
「はっ?!」
静雄の言葉に、まさかと思い顔を赤くすれば無理矢理相手の方を向かされ再び唇が重なった。
「んぁ…はっ……」
それから二人は飴が完全に溶けて無くなるまでずっと深く口付けていた。
「…シズちゃんなんて知らない」
「…悪かったって。取られたら盗り返す主義なんだよ俺」
「…意味分かんない」
「でも…良かっただろ?」「!!…シズちゃんのバカッ!」
20101106
タイトルお借りしました
-HANA 華風 KAZA-
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