試薬品には気を付けろ | ナノ

 
 
俺の手の中には袋に入った飴玉が一つ転がっている。


この飴は先程、私用で新羅の元を訪れた際に貰ったものだ。何でも新しく開発したらしいが、まだ試薬品段階だと言っていた。
そんな物を俺に渡したということは遠回しに実験体になれ、ということだろう。
まぁ明らかに怪しいその飴を舐めるつもりは更々ないが、どんな効力があるか教えてくれなかったため、そこは気になる。

誰かこの飴を舐めてくれる奴はいないか脳内で探していると、部屋のチャイムが鳴った。

秘書である波江には今日は休みを与えている。休みの日に彼女が来ることは先ずないため、他の人物を考える。が、その間にも連打しているのかピンポンピンポン煩い。
玄関に早足で行き取り敢えずドアを開ければ、


片足を上げ今にもドアを蹴り破ろうとしているシズちゃんがいた。


「…何でシズちゃんが俺の部屋の前にいるのかな」
「何かムシャクシャしたらか殴りに来た。っつー訳で殴らせろ」
「俺はシズちゃんのストレス解消の道具じゃないんだけど」

苦々しい笑みを浮かべて言えば、そう言えばと思い出したように未だ握っていた飴玉をチラッと盗み見て、僅かに口角を上げた。

「はい、これあげるよ」

ニコリという擬声語が聞こえてきそうな笑顔で飴を差し出せばシズちゃんはあからさまに眉を寄せながらも飴を取った。

「なんだコレ」
「…知り合いから貰ったんだけど俺あんまり甘いの好きじゃないからあげるよ」

シズちゃん甘いもの好きでしょ?と言えば何で知ってる的な目で見られた。
伊達に情報屋をやってきた訳じゃない。

「まぁ…貰っとく」

そう言うシズちゃんの頬は若干緩んでる。
本当に甘いもの好きなんだなぁと思っていればシズちゃんは早速飴を口に放った。

「……どう?」
「どうって…普通にうめぇけど」
「何か異変とかない?」
「はぁ?別にねぇけど…もしかしてテメェ何か仕組んでたのか?」

シズちゃんの言葉に違うと意味を込めて首を振った。でも渡したのは俺だが飴に何か仕組んだのは俺じゃないから嘘はいってない。

ふと今更になって、あの試薬品がそもそもシズちゃんに効くかどうかが心配になってきた。前に新羅に注射器の針が刺さらなかったりメスが何本も壊れたと聞いたことはあったが所詮は外側、内側には効くのだろうか。
俺が暫く考えに浸っていると相手の異変に気付いた。何というか…シズちゃんの息が荒くなってる気がした。

「シズちゃん?」
「…テメェ、やっぱあの飴に何か仕組んだろ…ッ」
「いや、仕組んだのは俺じゃないし。実は新羅から貰ったんだけどまだ試薬品らしいんだよね。で、そんな怪しいモノを自分で確かめるのは嫌だったから誰か他にいないかなって考えてたら丁度シズちゃんが来て」

笑みを浮かべて言えば突然シズちゃんに両肩を掴まれた。かと思えばそのまま押し倒された。

……押し倒された?

「…え?ちょ、シズちゃん?」

流石に予想外の展開に焦ってくればドアの閉まる音がする。その音で、そういえば玄関だったなと思い出す。

「何か…あちぃ……ッ」

そう言い俺を見下ろしてくる。何と言うか…エロい。そこで漸くシズちゃんの目に欲が浮かんでいる事に気付いた。
だが、それと同時に口を塞がれる。シズちゃんの唇で。

「ん…?!」

驚きのあまり目を見開けば丁度シズちゃんと目が合い急に恥ずかしくなってギュッと目を閉じる。

「ッあ、ふ…んん…っ!」

その間にも舌が入って来て俺の口内を荒らしていく。シズちゃんの舌は凄く熱く、様子を見るからに多分あの飴には媚薬成分が入ってたんだなと何処か冷静に判断している自分がいた。後で新羅殺す…。
にしてもシズちゃんの癖に妙に上手いし。

「ッはっ、はっ……」

暫くして漸く離れればシズちゃんはニイッと笑みを浮かべて言った。

「テメェのせいでこうなったんだ…責任取ってもらうぜ?臨也ぁ」














「…ひっ、ん、ふぅ…ッ」

あの後無理矢理寝室に連れていかれれば(その前に何で俺の寝室知ってんだ)ベッドに投げ出され今に至る。
因みに今の状況はシズちゃんに胸の突起を舐められている。

「はっ…胸舐められて感じるとかとんだ淫乱だな」
「だれ、がッ、あっ!!」

反論しようとしたら自身を扱かれ思わず甘い声が洩れる。
その声を聞いてシズちゃんが笑みを浮かべながら突起から顔を離せば後ろで変な感覚がして何かと思えば何の予告無しに後孔に指を入れてきた。

「いっ…!!」

一瞬走った痛みに顔を歪めるも中を掻き回されれば明らかに痛みではない感覚が込み上げてくる。思わず洩れてしまいそうな声を必死に抑えていれば、シズちゃんから声がかかった。

「おい…声出せよ」
「ッ…や、だね……」
「…そうか」

無理矢理笑みを浮かべて言えば、ある部分を強く突かれ有り得ない程の快楽が襲ってきた。

「ぁあッ?!」
「ここか……」

それから前立腺を中心に刺激され限界も近付いてくる。

「あっああッ…も、無理…っ!!」
「おい勝手にイくんじゃねぇよ」

あとちょっとで達しそうだったのにシズちゃんに自身をギュッと握られ熱が塞き止められる。

「やっ、何でぇ…?!」
「テメェ一人だけ気持ち良くなるなんて不公平だろ」

そう言い指を抜かれれば押し当てられた熱に俺は顔を青ざめた。

「入れるぞ」
「待っ…!!」

俺の言葉を最後まで聞かずに入ってきた相手の自身の大きさに目を見開き魚のように口をパクパクした。

「っ、ああぁッ!!」

次の瞬間、激しく突かれ出したくもない声が出ていく。

「ッ…きついな……」

シズちゃんは顔を僅かに歪ませて言うも止める気は無いようで更に深く突いてくる。

「ひぁッ、ああっ!!や、ダメ…っ!!」
「何が、ダメだよ…感じてる癖によぉ…!!」
「ひゃあああッ!!!」

突然繋がったまま体を反転させられ尻を高く上げた体勢にさせられれば今まで以上に深く繋がった。

「あッああ…、も、ダメぇ……!!」
「っ…俺もそろそろヤベェ……っ」
「ッ…、ああぁぁあ!!!」
「くっ…!」

同時に達すればシズちゃんの白濁が中に流れくる感覚に俺の意識は遠退いていった。







「…途中から効果切れてたとか死んでも言えねぇ……」

顔を赤く染めて言うシズちゃんの呟きは気を失い寝ている俺には聞こえなかった。




20101103
授業中に思い浮かび休み時間に隠しながらノートに書いた代物。
妙な緊張感だった…。

因みに臨也を攻める辺りから既に効力切れてた設定。

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