やけに紅い唇が目を惹いた
気まぐれな遊び相手
今だけは何もかも忘れて
陳腐な誘い文句
レディ・リリスの誘惑
戯れに心を掻き乱さないで
ルージュに染まる、
情熱の裏の冷めきった心
奪う気がないのなら、構わないでくれたらいいのに
イタズラに触れないで
私を好きにならない君を、私に好きになれと言うのですか
戯れにすら縋ってしまうから
つまらない関係と特別な感情
素晴らしき碌でもない世界
愛の言葉なんて、囁いたかしら？
出会ったときから気付いてた、君は私のものにはならないって
女は誰だって悪女なの
少し悲しい物語が好きなの
笑っている人間を見ると虫酸が走るわ
なんて滑稽！なんて惨め！
謝ってももう遅いのよ
愛なんて所詮は戯れ言ね
ハッピーエンディングには共感できない
冷酷無慈悲なマダム・エルザは、
幸せなんて言葉は誰が造ったのかしら
人間の、恐怖に怯える顔はもっと好きよ
導火線の火は消えた
愛しいはずの君が憎らしい
そういうとこ、嫌いだわ。
好きになれるチャンスを頂戴
その歪んだ顔が愛しいの
恋愛にも満たない、
君のせいで泣いてばかりだ
夢にも思わなかったから
こうして、そうして、どうなって
だって愛することは罪だから
わたしに愛されたことを光栄に思ってね
わたしに愛されなかったことを光栄に思ってね
そして忘れないでいてね、こんな女もいたんだということを
いずれは無くなってしまうでしょうけれど
それでもそのときまでは、胸の中にしまっていて
誰にも告げることなく、何処にも綴ることなく、
死ぬまでずっと心の奥底で眠らせて
そして死ぬ瞬間に、その一瞬に、思い出して