ほんの数センチがもどかしい
スカートの裾に君の指先が触れる
首筋をつたう汗に胸が高鳴った
どうやら恋をしたらしい。
思い切って君の胸に飛び込んだ
子どもっぽいままの自分でも愛したい
上向きまつ毛が、涙をぬぐった
その目があたしに釘付けになればいい
不機嫌な横顔ももう慣れた
これが最後よ、と心に云った
ポケットにしまい込んだはずの想いが
うっかり飛び出しちゃって。
下に突っ立っていた君に降り注ぐ。
そんなつもりはこれっぽっちもなかったのに、
もう大人だよ、と嘯いた
火照った顔を水飛沫で誤魔化した
シャーペンの先を噛む唇が艶めかしい
キラキラが、空から降ってきた
一度忘れて、もう一度恋しよう
もうきみしか見えない
ワン・モア・チャンス・プリーズ!
ポニーテールが首を振った
眩しい太陽が僕の青春を見下ろしていた
愛らしくて、色っぽくて、繊細で、強か。
彼女は、女の子で、女性で、少女だ
そのどれでもであって、どれでもない。
ぼくは揺れるスカートに翻弄されてばかり。
なんだかワルイコトでもしてるみたいね
絡めた指先が熱くて、はなすことも忘れた
裸足のままで追いかけて
不敵に笑った彼女から目が離せない
きみはそのままでよくッてよ
空を飛んだら、真っ白になれる気がした
もっともっと、きみと近付きたい
リボン結びなさくらんぼ
おとなになんてなりたくない、と泣いた
つまらない感情に振り回される、つまらない自分
どきどきは、忘れたころにやってくる
だから、きみが愛しいんだよ。
明日なんて、すぐに追いつけると思った。