雨の日の過ごし方


しとしと、昨日の夜から降り続いた雨は今も止まない。
今日はクラブ活動を中止にすると決めて部員に通達した後、成瀬は恋人にメールする。
少しでも会えたら嬉しいし、会えないようなら夜食でも準備したい。
いつもならなかなか来ない返事が、今日に限ってすぐ帰って来た。
成瀬は返信を読むと、嬉しさに頬が緩む。
「すぐに行くね」
成瀬はそう返事を送ると、早足で恋人の部屋へ向かった。
「おはよう、ハニー」
扉を開けた和希を抱き締めながら、嬉しそうに笑う。
眩しい程の笑顔が和希に近付いてきて、チュッと可愛いキスが落ちてきて、甘い1日の始まりを告げた。

2人はベッドの上に並んで座って、ぽつりぽつり話をする。他に人がいる時はテンションの高い喋り方をする成瀬も、和希と2人きりの時は微笑みながらゆっくり話すし、和希の話を良く聞く。
和希も普段啓太や皆といる時より、声音は低くなり大人っぽい。
それが2人の自然な姿。
「ふわぁ…」
「和希、昨日も遅かったの?」
「そうですね。最近ちょっと忙しくて…」
「何か飲み物でも買って来ようか?それとも横になる?」
「あぁすみません、雨の音が…」
「うん、心地良い音だよね」「ちょっと寝ちゃおうか」
「え…でも」
「和希と2人で昼寝って贅沢だね」
和希は少し笑って、恋人に甘える事にする。
2人寄り添って、しとしと規則正しい雨音を子守歌に眠る。
成瀬の喉元にすりっと頬を寄せる和希を、成瀬は布団の上から優しく抱きしめた。
この上ない、幸せな雨の日の過ごし方。




Happy end・・・



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