ただいま。


夜、仕事で帰りが遅くなった。
寮の部屋に静かに帰ると、部屋は真っ暗で。
同居人は健康そのもののようにしっかり睡眠時間を摂るから、こんな時間に部屋が明るい訳はない。
自分も早く寝なければと思い、洗面所で手を洗っていると、洗面所の鏡にメモが貼り付けてあるのに気付く。

「おかえり、トキヤ。今日も1日お疲れ様ー!」

と、最後には彼のお得意のおんぷくん(と言うらしい)とやらが描かれてあって、どうやら彼からの挨拶だとわかった。

トキヤはその言葉に癒されてしまう。

おかえり、という言葉は、誰にでも言う言葉ではなくて、一緒に暮らしている相手だからこそ言える言葉だ。
こういう時、自分は1人じゃないんだと安心して、自然にトキヤの表情は緩む。

手を洗ったトキヤは、すやすや眠っている音也のベッドの前で小さく「ただいま帰りました」と呟いた。
音也には聞こえていないだろうが、それでもかまわない。
言える相手がいる自分は、すごく幸せな気がして。
トキヤは帰りついた時より疲れが和らいで、気分良く自分のベッドに入った。
きっと今日見る夢は、いつもより優しいはずだ、そう確信しながら。





Happy end・・・




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