Sweet room


「ねぇねぇ、トキヤー」
何回目かのその言葉に、「なんですか」とひとことだけ返したトキヤに、音也もひとことだけ返す。
「大好きっ」
その言葉を頭で理解した瞬間、トキヤは耳を赤くした。
「いきなり何を・・・」
「いきなりじゃないよ、俺いつも思ってるもん。俺、トキヤの事本当に大好きなんだ。だから同室で良かったなぁって思ってたところ」
「・・・」
「・・・ん?」
何か言いかけて、トキヤが黙ってしまったので、音也は小首をかしげてトキヤを見つめる。
その仕草が可愛く映って、トキヤは思わず
「なんというか・・・あなたは時々・・・可愛い・・・ですね」
なんて言ってしまった。
その言葉は気に食わなかった音也は、頬をぷくっと膨らませて反論する。
「えー、可愛いより、格好良いって思われたいんだけど」
「あなたは自分のキャラをわかっていないようですね」
「他の人にどう思われてるかはどうでもいいんだけど、トキヤにだけは格好良いって思われたい」
音也はそう言って、椅子に座っているトキヤを後ろからぎゅっと抱きしめて、頬にちゅっとキスした。
「ちょ・・・」
文句を言おうとして開いた口に、音也の舌が滑り込み口を塞ぐ。
さっきより深いキス。
吐息すら奪うようなキスに、トキヤは腕を突っぱねて抵抗するが、音也の意外と強い力に阻まれる。
思う存分トキヤの唇を堪能してから、音也は唇を離す。
そして満足そうにトキヤをふんわり抱きしめてから、上目遣いで見つめた。
その視線がいつもの可愛い雰囲気の音也ではなく、男だと感じさせる艶っぽさがあってトキヤはドキリとする。
「いつかは、トキヤに格好良いって言ってもらえるようになるからさ」
そう言って笑顔を見せる音也は、いつもの音也で。
一瞬でも音也を格好良いと思ってしまった自分に、トキヤはモヤモヤした気持ちになる。
「そんな日は来ませんよ」
そういうトキヤの耳は、キスの余韻なのかドキっとしたからなのか赤いままで。
でも、それを指摘したら怒られるのが分かっている音也は、そんなトキヤをただ抱きしめた。
甘い雰囲気が続く事を願いながら。




Happy end・・・





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