幸せだね



段々暗くなる部屋の中、2人は身を寄せ合う。
今日は生憎の天気で、しとしと雨音だけが響く部屋の中。
獄寺が、ディーノの胸にコツンと頭を寄せると、雨音より大きく、ディーノの鼓動が聴こえる。
トクン、トクン。
規則正しいリズム。

こんな時間に電気の光は余計だと、ディーノは最近お気に入りのアロマキャンドルに火を灯す。
ゆらゆら揺れる炎と、柔らかなローズの香りに癒やされ隣を見ると、獄寺の瞳から一筋涙がこぼれ落ちていた。
驚いて声をかけようとする前に、獄寺がポツリと言った。

「幸せだな」

そう言った獄寺の顔が穏やかで、ディーノは微笑もうとしたけれど。
何故だか涙が零れた。
愛しさで胸が締め付けられるような、そんな涙がある事を、初めて知った。

「そうだな」


甘く優しさの満ちた部屋で、2人は静かに寄り添ったまま過ごす。
誰にも邪魔されず、2人きりで。







Sweetest time






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