そして、いつの間にか自転車置き場の前。 「………」 「…じゃあ、また、ね」 俺の情けない口からは「おう」とぽろりと零れ落ちただけ。忘れ物をしたと嘘をついた手前、このまますぐに帰るのもおかしいので、一応自転車置き場に寄っていくことにする。一歩、二歩、三歩。後ろを振り返る。あいつの後ろ姿が見える。一歩、二歩、三歩。後ろを振り返る。あいつは、振り返らない。何かとても大切なことを言わないといけない気がするのに、口からは空気が漏れるのみ。なんだか、一昔前のドラマみたいだ。 「……ちょっと待てよ…?」 俺って、ただあいつにつまんない話をして、あげく本当に言いたいことは言えずに別れただけだよな…?なっさけな!なんっにもドラマティックじゃねえじゃねーか! ドラマとか言ってサーセン/(^o^)\ |