「よっ、ナマエ。来たぜー」

「あ!ナイトストームさん」


窓が突然開いたかと思えば、そこにはナイトストームさんが笑顔で片手を上げていた。

ナイトストームさんは所謂海賊で、お宝を目当てにこのアクアフォースに来てまず忍び込んだのか私の部屋だった。

それから話が合い、一週間に一回という形で会いに来てくれている。


「ナイトストームさんって初めて来たときも誰にも見つからなかったんですよね?」

「ああ、ここの警備は甘いからな。難なく入れたぜ」

「すごい!まるで怪盗みたいです!」

「俺はナマエの方がすごいと思うけどな…」


そう言い、周りを見渡すナイトストームさんに乗じて私も周りを見る。


「え?何がですか?」

「本だよ。全部読んだのか?」

「はい!この時間帯は皆忙しいから、本を読むしか楽しみがないんです」

「…そうか…」

「ナイトストームさんは本読まないんですか?」

「あー、官能小説しか読まねえな」

「かんの…?」

「官能小説。知らないのか?」

「はい。聞いたことないです」

「ふーん、そうなのか」

私の答えを聞いたナイトストームさんはニヤリといたずらを思いついた子供のような笑みを浮かべた。


「どんな内容の本なんですか?」

「うーん、一言じゃ言い表せないんだよな。とにかく色々凄くて…まぁようするに、」


突然、肩を掴み仰向けに寝かされ、視界にはナイトストームさんしかいない状態になった。


「この先をするってところだな。…試してみるか?」


「…ナイトストームさん…、」





するとコンコンとノックする音のすぐ後に「ナマエ様、失礼しますね」とアルゴスの声が聞こえてきた。
そして、ドアが開いた。


「ナマエ様、もしよろしけれ、ば…」


アルゴスは私達の方を見て、何故か固まった。


「どうしたの?アルゴス」

「よっ、少佐さん。お邪魔してるぜ」

「また貴様かナイトストームぅうううぅううううう!!!!」






ハロー海賊さん。

(やっべー、それじゃあまたなナマエ。続きはまた今度な)
おい待て!って、(逃げ足の速い奴だ…。ナマエ様!!大丈夫ですか!?何もされていませんか?)
(うん、大丈夫。…ねぇ、アルゴス)
(何でしょうか)
(官能小説って知ってる?)
(か、かかかかか官能小説ですか!?だ、誰から聞いて…)
(ナイトストームさんから)
((あいつ…ナマエ様に何を教えて…!))
(あれって……一緒にお昼寝する内容の本なのかな?)
(は?)
(だって私寝かされたし、今は午後でお昼寝に最適な時間だし…)

(…あ、そ、そうなんです!そういう本なんです!)
(やっぱり!何か変わった内容の本なんだね〜)
(そ、そうですね〜…(ナマエ様が鈍くて良かった…))




いつか絶対絡ませたいと思ってたんです!!

ナイトストームさんだれおま状態になってないか不安です…。








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