「ナマエ」
「ディア兄さん!おかえりなさい!」
「ただいま」
ディア兄さんが腕を広げてきたのをナマエはいつものようにその中に収まった。
「………」
「どうしたの?」
「…チュウは?」
「え」
「チュウ!おかえりなさいのチュウ!いつもしてくれたじゃないか!」
「私がまだ小さい時の話だよそれ!さすがにもうしないよ…」
「何でだ!アルゴスにはしてたじゃないか」
「!? なっ、何言ってるのディア兄さん。私、そんな事してないよ」
「前に寝ていたアルゴスの頬にチュウしてたのを見た、この目でちゃんと!」
「見てたの!?」
まさか見られていたなんて…。
ナマエは顔に手を当て、恥ずかしさのあまり頬を赤くさせていた。
「全然気づかなかった…」
「というわけでナマエ、おかえりなさいのチュウを、」
「何でそうなるの!」
「もうディア兄さんなんか知らない!」と言い残し、足早に去っていった。
「……顔赤くなってるナマエも可愛い!」
「ディアさんうるさい」
可愛すぎて困る。
(どうしようアルゴス…ナマエが可愛すぎて辛い)
(はい、そうですね…(何でいきなりナマエ様が?))
(お前には絶対負けないからな!)
(え、え!?(何が!?))
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