「ナマエ〜!」
「きゃっ!」
声がすると同時にぎゅっと後ろから抱き締められた。
そんな事をするのは、もちろんあの方しかいない。
「レレレレン様、抱きつくのやめてくださいって何回言ったらわかるんですかぁ…」
恥ずかしくて顔が熱くなるのも何度目なんだろう…それがわからないほど彼は私の言い分を無視してきたのだ。
「えー、だってナマエすっごく可愛いんですもん」
そう言いながら頬をすりすりと寄せてきた。
「理由になってません…ていうか私は可愛くなんかありませんし…」
「そんなことありません!」
突然声を張り上げ、肩を掴まれ向かい合わせにされた。
「名前はすっごく可愛いです!僕が保証します」
真剣な目をしていて、冗談ではないことを物語っていた。
「…ありがとうございます。すごく、嬉しいです」
真っ正面から言われたのが初めてで、恥ずかしさもあったが、それよりも嬉しさが大きかった。
笑顔でお礼を言えば、レン様は先程の真剣な顔からふにゃ、といつも通りの柔らかい表情に戻る。
「笑ってるナマエも可愛い!」
「ぅきゃっ!? だ、だから抱きつくのやめてくださいってば〜っ!!」
ただ単純に、
(恥ずかしがっている君が可愛いんです!)
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