「アルゴス〜!」
声が聞こえたかと思えば後ろから抱き締められた。
振り返ってみれば、予想していた方だった。
「どうなされたのですか?ナマエ様」
「うふふー、アルゴスの姿が見えたから抱きつきたくなったのー」
「そうですか」
うあああナマエ様すっごく可愛いんですけどどうしたらいいんだ!
はっ、ダメだ落ち着け私。
私はナマエ様が小さい頃から仕えている身。
そんなやましい事など考えては…!
「ねぇアルゴス」
「はい、何でしょう」
ナマエ様は私よりも身長が低い。
よって必然的に上目遣いになるわけで。
まあ率直に言うと、
「(か、可愛いっ!)」
ということです。
「アルゴスは、これからも私の傍にいてくれる?」
ナマエ様は抱き着くのをやめ、悲しそうな目で此方を見つめている。
答えなど、考えずとも決まっている。
「当たり前です。私はずっとナマエ様にお仕えいたします」
私が笑顔でそう言うと、ナマエ様はみるみる目を輝かせ「アルゴス大好きっ!ずっとずっといっしょだよ!」とさっきよりも強く抱き締められた。
「(こうして抱きついてくれるのは嬉しいが、私の理性が持つかどうか…)」
嬉しそうに擦り寄ってくるナマエの頭を撫でながら思ったアルゴスだった。
貴女の為ならば。
*
最近同じような話しか書けないマジック。
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