「だああーあっついー」
ナマエは隣の席で、下敷きを団扇代わりにパタパタと扇ぎ、机に突っ伏していた。
「何で今日に限ってエアコン壊れるのー暑くて溶けるって」
そういえば今日は猛暑日だったな。
「…伏見君は暑くないの?」
「……」
「ねぇ伏見君」
「……暑いのは当然だからわざわざ口に出してないだけだ」
仕方なく答えると「そっかー」と興味無さげにまたパタパタと扇ぐ。んだよ、そっちが聞いてくるから答えてやったのに。
「伏見君や、今日帰りにアイス食べようよ」
「一人で行け」
「やだ」
「……」
うぜぇ。
「ねーアイス食べようよーねー」
「他の奴と行けよ」
「やだ、伏見君と行きたい」
こいつは時々言葉の爆弾を投下してくるから心臓に悪い。
「ねー」
「……今日だけな」
「わーい!」
「但しお前の奢りな」
「えっ」