※アニメは5話までしか見てないので口調迷子。
小さい頃からずっと近くにいた幼馴染みがいつのまにか遠くの存在になってしまった気がする。
学校に行くときも、帰るときも時々一緒で、私の話に笑ってくれて。……いや、昔のことを思い出すのはやめよう。こんなことしたって彼と一緒にいられる訳じゃないし。
でも…
「会いたいよ…タスク」
「呼んだ?」
心臓爆発するかと思った。
だって今まで頭の中に浮かんでいた本人が目の前にいるのだから。空から来た、ということは仕事だったのか。
「…あっえ、えと、仕事は?」
「もう終わったところ。それで帰ってる途中に名前を見かけたから来ちゃった」
「来ちゃったって…」
そんな笑顔で言われたら何も文句言えないじゃないか!
ちくしょーイケメンめ!
「ところでさっき僕に会いたいって言ってたけど」
「えっ、あっ、あー言ってたっけ? あははは…」
まさか聞かれるなんて思ってもみなかった…恥ずかしくて穴があったら入りたい。むしろ自分で穴掘って入りたい。
「名前」
名前を呼ばれたかと思いきや真顔で段々此方に迫ってきた。え、何? 私何かした?
怖くて後ずさっていたが気づいたら壁に背がついてしまった。逃げ場なくなっちゃったー!
「僕、名前の本当の気持ちを聞きたいな」
「あの、タスクさん。公共の場でこんなことするの良くないんじゃないかな」
「何で?」
壁に追いやられ逃げようにも両側をタスクの腕によって完全に逃げ場を失ってしまった。
もしこんな状況をタスクファンに見られてしまったら…うああ考えただけでも冷や汗出そう。
「何でって、」
「名前が嘘つくからだよ。因みにこのまま本当のこと言わないならキスするから」
「ええぇえっ!?」
何でやねん!! 今私最高のツッコミ出来てる!!
てか言わないとキスって無茶苦茶だよ。…恥ずかしいけど、言うしかない。
「……会いたかった」
「誰に?」
「…タスクに」
本当恥ずかしい…今最高に顔熱い…。
「よし、いい子」
女の子を骨抜きにしそうな甘い笑顔で言ってくるが私は何とか持ちこたえてます。今まで何年幼馴染みやってると思うんだ。
「言ったので開放してくださいな!」
「うーん、仕方ないな」
タスクは私の願い通り壁から手を離す。
(よかったー!!)
「それじゃあ帰ろうか」
「っ! う、うん!」
1人だった帰り道。でも久しぶりにタスクと帰れて、寂しかった気持ちは何処かに消えていった。
青春チルドレン。
(名前にキス出来なかったのは残念だったけど…まあいっか。まだ時間はあるしね)
―――
道ばたで何やってんだ((