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宇宙人に攫われました。
キャトルミューティレーションって動物の体を一部を搾取したりとか怖い想像はしてたけど、実際そんな猟奇的なことにはならなくて。
でもでも実験はされちゃうみたい。

ぬめぇ、と肌を伝う異様な感触。

「ひっ、あ…あっ、いや、やぁ…1」

背筋にぞくぞくと電流が流れて鳥肌立ちまくり。
ライトアップに目は眩むけれど、それでも異形の透明に近い白い触手が、俺の肌を嬲っている。

「――、―」
「いや、そこ…だめぇ、っ、あぁっ!」

ずぶり、肛門の入り口ばかりを弄っていた触手が、宇宙人?の意味不明な発声にナカに入ってくる。

ずぶ、ずぶ、ずぶ、

「い…いやっ、待ってぇ!おく、奥いやぁあ!」

俺の必死の叫びも空しく、奥へ奥へと侵入してくる触手。
乳首も、陰茎も、肛門も、ぬめぬめと触手が伝う。
普通だったら気持ち悪い。肛門に何かを入れるなんて、子供のころ座薬でさえ痛くて気持ち悪くて仕方が無かったのに。
なのになんでか、全部が全部気持ちいい。

そうは言っても尻穴をぐちゅぐちゅと入って来られれば、気持ちよさと恐怖で頭が飛んでしまう。

「へ…?い、いやあっ!」

ふと、触手の動きが変わった。
本体っぽいところから俺の中に入っている部分に向けて、ぼこり、ぼこりと音がしそうなぐらい大きな塊が中に入ってくる。
種付け、なんて卑猥な言葉が頭に過ぎった。

「いや、いやぁーっ!なか、ナカやめてっ!」
「――」

宇宙人が何か言った。
って言うか、宇宙人なのに人型なんだな。
黒髪黒目で日本人っぽいししかもイケメン属性なのに、無表情だし機械的でなんか生気が無い。
とか、霞んでる頭で考えたのも束の間。

「や、やめてっ、ぬかないででちゃうぅ…!」

ごぼり、大きな音を立てて俺の中から触手が引きずり出された。
入り口を擦っただけで上がる変な声。
けれど、お腹の中には異物感がぎゅうぎゅうひしめいていて。

「いやっ、いやっでちゃ…んぁあ!」

ごとん、拳大の大きさの白い卵達が次々と連なって出てきた。




…困った。

「おい、花嫁」
「んぁ、気持ちい、そこ、奥のとこもっとごりごりして、」
「……」

地球には伴侶を探すために来ていた。
ちょうどいい個体を見つけて、子供が産める体なのか、遊び半分でついてきた弟を使って確かめてみると、順応も中々いい。
不適合なら記憶を消していたが、適合したため音声変換ツールを用いて愛の告白。
したのだが、

『俺、こっち(触手)の方がいい』

とろんととろける表情で言われました。
こんなことなら、わざわざ人型とらなくて良かった…!

触手型に戻る機能がインストールされるのは1ヶ月後。

「早く、種付けして…?」

とろける伴侶を甘やかしている弟が憎たらしかった。




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