「《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》による、お互いのプレイヤーはそれぞれデッキから1枚ドローする効果の上書きかあ。厄介な効果だね。でもそれだけだ。それだけで封殺出来るとは思わないことだね。ボクはそこまで甘くはないよ」
「でも僕のフィールドには《No.86 H−C ロンゴミアント》がいます。ただで突破はできないですよ、今のエクシーズ素材は5体!相手エンドフェイズ毎にこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除かなければなりませんが、このカードが持っているエクシーズ素材の数によってこのカードは以下の効果を追加で得ることができます」
ワナビーは説明を始める。
「1つ以上でこのカードは戦闘では破壊されない。2つ以上でこのカードの攻撃力・守備力は1500アップする。3つ以上でこのカードはこのカード以外の効果を受けない。4つ以上で相手はモンスターを召喚・特殊召喚できない。5つ以上で1ターンに1度、相手フィールドのカードを全て破壊できる。つまり今のこのモンスターは全ての効果を使うことができます。さあ、やってみてください、できるものなら!」
「むむむ、思ったより厄介な布陣だなあ。こないだよりずっとデュエルが上手くなってるね、ワナビー」
「そうですか?ありがとうございます」
「攻撃力の低さを補いながら封殺の強化か、なかなかやるね。つまりボクはターンを待つしかないわけか」
ゴーストは大人しくターンを渡す。ワナビーはエクシーズ素材を1枚取り除いたがまだ4つの効果を使うことが出来る。
「僕のターンですね、ドロー!」
先程の効果の上書きにより手札が増えたワナビーはさらなる強化を行う。
「さあ、バトルと行きましょうか!」
展開用の低いステータスの壁モンスターしかいないゴーストのフィールドが蹂躙される。以前デュエルが硬直化した上に逃げられてしまったことが余程悔しかったのか、ワナビーはゴースト対策を万全にしてきたようである。
「でもボクもただやられる訳にはいかないんだよね!悪いけどそれは通せないよ!僕は手札から《バトルフェーダー》のモンスター効果を発動!相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。やれやれ危なかった、これでなんとか凌げたね」
ワナビーは残念そうに肩をすくめると、ふたたびエクシーズユニットをまたひとつ墓地に送った。