ホームパーティー
※AAのメモリアルより妄想
※途中まで真春←音っぽいです。
みんなシャイニング事務所の準所属になれたお祝いをしようってことになって、学園の寮の俺とトキヤの部屋でパーティーすることにしたんだ。
部屋の片付けは俺と七海。トキヤとマサと友千香が料理担当で、レンと翔、それから那月が買い出しに出掛けた。
最初は那月が、
「それじゃあ、僕も料理のお手伝いします〜」
とか、目を輝かせてそんなこと言うからその場にいる全員が凍りついたよ。
それでも翔は手慣れたもんでさ、
「ばーか!料理ならトキヤと聖川に任せときゃいいだろ?んなことより、買い出しを手伝え。お前はケーキはあの店のが良いんだろ?あのおじさん、お前じゃないとおまけしてくれねーだろ!」
「あ、そうか。そうですよね!やっぱりあそこのケーキがいいです!翔ちゃん行きましょ〜」
って上手く誘導してくれて助かったよ!
やっぱ、1年も一緒にいると扱いが上手くなるんだろうな。翔、ありがとな!!
それで、みんなが出ていった後、俺と七海で部屋を片付け始めた。
「あれ、そのクッションどうしたの?」
「これ真斗くんが作ってくださったんです。座布団足りないだろうなって思って持ってきたんですが……」
「へ〜これマサが作ったんだ!!器用だなあ…」
手作りらしい、パッチワークのクッションにはたくさんの音符柄の刺繍がされていて。マサが彼女のことを思って作ったのが良くわかった。
「本当、七海はマサに愛されてるねぇ」
「え…そう、ですよね。本当、わたしにはもったいないくらい……」
そんな風に恥ずかしそうに言う彼女が可愛らしくて、マサがとても羨ましくなった。
「あー俺も彼女欲しいな〜!」
そう言ってベッドに寝転がってみる。七海はそんな俺の隣に座って、
「大丈夫です!きっと、一十木くんなら素敵な彼女できますよ!!」
力一杯拳を握ってそう言ってくれる彼女は本当にいい子だなって思った。だからこそ、マサはこの子のこと好きになったんだろうなって思ったらなんだか微笑ましくて、自然と笑みがこぼれた。
「あ、一十木くん何笑ってるんですか…!」
「いや〜マサは幸せものだなって」
「?」
頭に疑問符を浮かべてる彼女のそんな表情が可愛くて、無意識のうちに手を伸ばしていた。
「たっだいま〜〜っ!いやぁ、マサやんたち手際いいわ」
「うわああぁ!!!!」
無情にも部屋のドアが開いて、友千香たちが帰って来た。
俺は自分のしようとしていた行動に気付き、大声を上げていた。
「…ん、何さ。どうしたの音也?」
友千香が不思議そうな顔で問いかけてくるから、あわてて
「…え!?べ、別に何でもないよ!!本当だから!!!!」
って答えたら
「ん〜?なんか怪しい……もしや春歌にいやらしいことでもしようとしてたんじゃないの」
「な、なんだとぉぉ!?それは本当なのか一十木!!!!!」
友千香がそう言って、後ろからマサがすごい形相で叫でいた。
…いや、自分に否がないって訳じゃないけど誤解だってば!
「真斗くん、落ち着いてください。一十木くんがそんなことするはずないです……それとも、真斗くんはわたしのことが信じられませんか?」
「そ、そんな訳がないだろう……全く、俺としたことが」
七海に俺の焦りが伝わったらしく、マサを宥めてくれた。それにしても、七海ったらマサの扱い方すっかり慣れちゃって。
その様子を見て友千香も笑っていた。やっぱり友千香も友人たちの成長が嬉しいらしい。
「あーあ。当てられちゃった〜もうこうなったらあたしたちも付き合っちゃおうか!!」
「!!??」
友千香がそう言いながら俺の腕に手を絡めてくる。女の子からこんな風にくっつかれることなんて初めてで、俺はかなり動揺した。
「なーんて冗談よ。音也ったら赤くなっちゃって、かわいい〜」
「か、からかうなよ!!」
たぶん、顔を真っ赤にしながら言うその言葉には全く説得力なんてないだろう。
それでも、冗談と言いながら笑う友千香に内心ドキドキしっぱなしで。一瞬、友千香が彼女だったらなんて考えてしまったらもう意識せずにはいられなくなっていた。
「あ…そ、そうだ!料理できたんだろ?俺、運ぶの手伝うよ」
そのことに気付かれないように話を変え、赤い顔のまま部屋を飛び出した。
「あー音也ったらあんなに慌てちゃって」
「一十木も腹が減ってるのだろう…そうだ、だし巻き卵も作ったからな。ハルも楽しみにしているといい」
「本当ですか!!真斗くんの作るだし巻き卵大好きなので嬉しいです〜」
「はいはい、お熱いお熱い」
後ろからそんな会話が聞こえるけど、俺は気にせず寮の食堂へと向かった。