If Story

▽ 2*


「おいで、葵。そう、いい子だ」

手招くと、葵はすぐに馨の膝の上にやってきた。褒めるように背後から葵の顎を掬い、口付ける。

帰国してから衣装部屋で遊んだことはなかったけれど、アメリカでは日常の一つだった。この椅子も葵にとっては思い出深いもののはず。何度この椅子の上で体を繋げたか分からない。

座面が広く深いため、ある程度成長した葵を抱えて座っても全く窮屈ではない。それに、ずっしりとした肘掛が葵の両脚を開かせるのにちょうどいいのだ。

今も葵の膝を抱え、ゆっくりと左右の肘掛けに乗せてやる。たっぷりと重なるチュールのおかげで思ったよりも肌は晒されないが、華奢な脚が所在無げに揺れるだけで十分に馨を煽る。

「あぁ、下着を変えるのを忘れてたね。せっかくの可愛い格好が台無しだ。でもまぁ、今日はもういいか」

スカート部分の裾を捲り上げ、馨は己のミスに気が付いた。ワンピース姿に不似合いな布の存在に注意を払っていなかったのだ。もったいないことをしたと反省するが、今更もう一度立ち上がって変えさせるのも面倒だ。それよりも早く葵と遊びたい。

「葵の誕生日は気を付けないと。きちんとドレスに合う下着、用意してあげるからね」

邪魔なだけの布を少し強引に脱がせて床に放り投げ、馨は同じ過ちを繰り返さないことを誓う。ドレスを制作しているデザイナーに頼めば済むことだ。

馨は指先で葵の顎をくすぐりながら、もう片方の手で携帯を操作し秘書に連絡を入れる。深夜に突拍子もなくこんなオーダーをされて彼はさぞ迷惑だろうが、仕方ない。

「お待たせ葵。さて、どう遊ぼうね?」

携帯を仕舞い、鏡の中の葵に問い掛ける。肘掛けに置いた葵の脚に手を這わせると、それだけでぴくんと肩が跳ねる。昨夜中途半端に戯れたおかげで、葵の体はずっと馨に貫かれる妄想に囚われていたはずだ。

滑らかな肌を脛から膝、そして太腿と辿る動きの中で、共にチュールスカートもずり上げさせる。徐々に照明の下に晒された足の付け根は、すでに少しだけ反応を見せていた。

「ふふ、もう期待してるのかな」
「……ん、ん」

ツンと先端を指先で突いてやるだけで、まだ柔かったそこはぴくりと震えながら勃ち上がる。

「素直で可愛いね。昨日みたいにまたパパに食べてもらいたい?」

葵は嫌がるけれど、鏡の前では自分の姿から目を離さないように教え込んでいた。だから葵は自分の体の淫らな反応を直視して、頬を真っ赤に染めている。

「葵は恥ずかしいのも大好きだね。もう先っぽが濡れてる」
「あッ、あぁ…んん」

じんわりと蜜が滲む鈴口に指先を乗せ、くるくると円を描くと葵の腰がその刺激から逃れるように揺れる。葵がそうして動いても、頑丈な作りの椅子は軋むこともない。

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