青空ファンタジー



みたらしのうらみ


「あぁ!それ僕のです!何で食べてるんですか!!」

「たかがみたらし1本ぐらい、いいじゃん」

「よくないです!返してください!」




お昼の食堂でギャーギャーと言い合いをしているのは私とアレン。アレンは楽しみにしているみたらし団子を、いつも最後に食べる。


大量の食事を摂取するアレンが食べ終わるのと、自分で言うのもなんだが、少食の私が食べ終わるのとでは時間差がある訳で、もちろん私の方が早い。

必然的にアレンが食べ終わるのを待つわけで、オムライスを物凄い早さで食しているアレンの横目にみたらしが見えたわけで、



「目の前にデザートがあったら、思わず食べちゃうよね」

「僕がどれだけみたらしを楽しみにしてると思ってんですか!」



食べ物の恨みは恐ろしいとはこのことだ。多分なにを言っても彼は許してはくれないだろう。潔く引き下がって許しを貰おう。



「わかったわかった。何をしたら許してくれる?」



うーんと悩んでいるかと思えば、ニタリとニヒルな笑みを浮かべてこちらへ顔を近付けてきた。

この笑みには、毎度ろくなことはないのだ。






「最後のデザートは貴女がいいです」






そういうと彼はみたらし団子へと手を伸ばした。




みたらしのうらみ





(な、ななななななに言って…!)
(何でもするって言ったじゃないですか)
(そんなこと一言も言ってない!)
(ってか、みたらし1本と私が同等…!)









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