青空ファンタジー



僕の可愛い彼女


ソファに座り読書に耽るいつものこの時間。今回の文庫はどうやらイマイチのようだ。生温い恋愛ものよりも少し子難しくて考えてしまうもののほうがいい。など思いながらも目は文字を辿っていると机の上にある携帯がチロリンチロリンと鳴り出した。ディスプレイには僕の可愛い彼女の名前。



「はい」

「もしもしアレンくん?」

「はいそうですよ」



どうしたのかと問えば、声が聞きたかっただけと少し照れたように返事が返ってきた。か、かわいい…



「ルイは何してたんですか?」

「んーとねえ、クッキー作ってるの」

「クッキーですか?」

「うん、今焼いてるんだけどね」



よいしょとソファから立ち上がりコップを持って台所へ向かう。本を読み始める前に作っておいた珈琲のおかわりをしに。携帯はもちろん持ったまま。



「誰にあげるんですか?」

「え、アレンくんだよ。リナリーにもあげるんだけど」



あっリナリーには内緒だよ?



ふふっと笑う彼女は電話越しでもわかるぐらい楽しそうだ。



「メインはリナリーなんですか?僕じゃないんですね…」



彼女に今の僕の表情がわからないのをいいことに、声のトーンを落として少し意地悪をしてみる。答えなんて初めからわかっているだ。


「ちがうちがう!アレンくんがメインでリナリーは…!」

「リナリーは…?」



砂糖とミルクを入れ終わったコップを持ってまたソファに座りなおす。すると最近飼い始めた猫がするりと僕の膝の上へと乗ってきた。



「…アレンくん意地悪したでしょ」

「…最近のルイは僕の意地悪に気付けるようになりましたね」



猫は僕の膝の上を良しとしたのか、くるりと丸まって大人しく撫でられている。



「ああ、そうそう。最近猫飼い始めたんですよ。まだ会ったことありませんよね?」

「初耳ですアレンくん!」

「じゃあちゃんと挨拶しなきゃいけませんね。ほら、にゃーんは?」



気持ちよさそうに撫でられている猫ににゃーんをそそのかしてもどうやら答えてくれなさそうだ。猫からのにゃーんを待っていると携帯から聴こえたのは、




「にゃーん?」




彼女の可愛らしい声。あなたじゃない、求めたのはあなたじゃないけど、一瞬本気で悶え死ぬかと思った…。




「…もう1回」


「…にゃーん?」







______________

twitterでみつけたネタを
書きたかっただけ。
ユウくんじゃこれは
やってくれなさそうだから
アレンくんにやらせました


お粗末さま!


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