青空ファンタジー



甘い二人の時間


いつものように。

そう、いつものようにラビと談話室で寛いでいた。
休日が重なるときには自然とここに集まって、何をするわけでもなく任務の話やコムイ、神田の話、流行のことなど他愛もない話をしたり本を読んだり、今日みたいにクッキーなんか食べてたりして1日を過ごす。

ラビとこうやって過ごすのは嫌いじゃない。というかむしろラビは私が想いを寄せている人で、この時間は至福以外のなにものでもない。


それ以上の関係を望まないのかって?そうだなあ、つい最近リナリーに同じことを言われたのだけど、そんな、もし、もし告白なんかしてフラれたりなんかしちゃったときなんかは私立ち直れないと思うんだ。それぐらい今の関係が心地よくて、崩したくないの。なんてリナリーに答えたら、フラれるなんてこと絶対ないから早く告ってきなさい!って、普段は大人しいリナリーに肩掴まれて前後にぶんぶん振られたなー。なにそんな甘ったれたこと言ってんのよー!ってね。だからフラれたら立ち直れんのよ私は。


ってこんなこと考えてたら真横にいるラビの顔見れなくなりそう。はい、意識しない意識しなーい。




「ルイ、これうめえさ。食べてみ?」




はい、あーん


…っておい!つい釣られて食べちゃったけど!あーんって!何やらせてんの!人が落ち着かせようとしてるときに!は、はずかしすぎる。絶対顔赤いよこれ〜。こんな顔見られたくなくて私はラビがいるのと反対方向に顔を逸らした。あつー。




「あれ、おいしくなかった?」



「う、うううううん!おいしい!このクッキーおいしいね!」




洞察力鋭いラビだもん。この不審さに気付かないわけないよ。ほら、気になって顔覗き込んでき…た……




「かーわい」




ちゅ




視界がラビいっぱいになって頭が働く前に唇になにかが触れた。…ラビの唇だ。ふれるだけのキス。ラビとの、キス。




「あー、もっと真っ赤になった」



「ラララララララビっ!」




ソファに置いてあった私の左手にはラビの右手が重ねられ、依然と顔は近いまま。




「ルイにずっと言おう思ってたんさ」




いつになく真剣なラビの目。私もそこまで疎い人間ではない。次に来る言葉は想像ぐらいできる。高鳴る心臓、期待する次の言葉。そんな、まさか、




「好きだ。

 俺、いい加減お前の彼氏になりたいんだけど」




まだだめさ?なんて、確信めいた表情でラビは言った。まだもなにも、




「…私の彼氏になってくれるの?」




声は少し震えていて、自然と目にはうっすらと涙を浮かべていた。
そしてラビは優しく微笑んで、優しく私を抱きしめた。




「好きさ、ルイ」



「うん、私も好き」






甘い 二人の時間


(やっとくっついたのね)
(何見てるんですかリナリー)
(ルイとラビよ)
(あぁ、やっとですか)
(初めから両想いだったのにね)
(本当じれったかったですね、あの2人は)



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ただラビにお前の彼氏になりたいんだけどって言わせたかっただけ!お粗末さま!



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