優しいのです
みんなが騒ぐ人。
別にかっこいいとかじゃない。
みんなが騒ぐ理由はただ彼が『怖い』から。
だけど私にとって彼は普通の『少年』にしか見えない。
それを友に言ったら「あんたおかしい!」って怒鳴られた。
だって本当に普通なんだもん。
「今日もサボり?」
たまたま屋上に上れば彼が寝ていた。
彼が返事をしなくても私は彼の隣に座る。
なんで来るかなと聞かれたけど、なんででしょうねと返す。
自分でもわからないけど、彼といる時間は嫌いじゃない。
俺が怖くないのか?って聞かれたから、全然と返せば彼は顔を反らした。
だって私にとって君は怖い人じゃない。
「みんなには不良かもしれないけど、私には君は普通。普通の高校生だよ」
「この前私が困ってた時、助けてくれたでしょ?私と話してくれる君は優しいよ」
と言えば彼は優しくなんか!って言ってそっぽを向いてしまった。
君に話し掛けたのはただ本当にみんなが言う『怖い人』か確かめたかっただけだけど。
私は見つけてしまった、知ってしまった。
彼の良いところを。
優しいのです(君は優しいよ)『だからソラが嫌いなのです』のソラside
[mokuji*story]