泣いた君
急に泣き出した君。
僕は慌ててどうしたの?って訪ねる。
そしたら君は「怖い」と言った。
怖いと呟いてまた泣き出す。
「何が怖いの?」
そう聞けば君は、「この手が離れるのが怖い」と言った。
君と僕が繋いだこの手。
泣いてる君と交互に見て僕は言った。
この手を離さないと。
そしたら君は泣いて赤くなった目で僕を見た。
「ホントに?」
「うん、ホントだよ」
「じゃあ約束」
「約束」
君が小指を出して、僕がその小指を取る。
にっこり笑う君に僕も笑う。
君が繋いだこの手が離れるのが怖いと言うなら、僕は何があっても掴んだこの手を離さない。
絶対に、約束は守るから。
君が泣かないようにと僕は君と手を繋ぐ。
君が笑ってくれるようにと僕は君と手を繋ぐ。
君が笑えば僕も笑えるから、怖いならいくらでも手を繋ぐから。
ずっと二人で手を繋いでいよう。
泣いた君(笑っていてほしいから)
[mokuji*story]