2015ホワイトデー


目の前に差し出された花束に言葉が出てこなかった。
「…へ?」
かろうじて出てきた言葉は自分でもあまりにも間抜けなものだった。
「……やはりおかしかったか?」
少しだけ困った様な表情を浮かべるのはゴルベーザさんだ。
その言葉と表情にはっと我に返り、慌てて首を横に振る。
「そ、そんなことないない!あ、あの、もしかしてこれ」
「バレンタインで貰った物のお返しは今日と聞いてな。セシルに協力をしてもらったのだ」
「な、なるほど…本当に貰ってもいいんですかぁ…?」
お返しが貰えるとは思っていなかったし、あの日…バレンタインに思いっきりセシルに怒られた身としてはセシルが協力をした事も想定外だった。
つまり想定外過ぎる事が起き過ぎて私の脳内は若干混乱をしているのだ。
私の言葉にゴルベーザさんは頷く。
「お前の為に用意をした物だからな」
「…あ、ありがとう、ございます!」
花束を受け取った事なんてなかった。というかこんなにかしこまってお返しを貰った事ですらない。
花の名称は詳しくないので良く分からないが色取り取りの花で構成された花束だ。後で調べよう。
「気に入ってもらえると嬉しいのだが…初めてなものでな」
「正直こんな風にかしこまった形で貰った事がないのでびっくりしてます…」
「そうなのか?」
「そうですよ〜だってカインなんて投げつける感じですもん!」
そう言えばゴルベーザさんは微かに笑い、「お前達らしいな」と言った。
それは褒められているのか…?
「この花、大切にしますね!ありがとうございます、ゴルベーザさん!」
「…あぁ」











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