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 雨

今日は台風がこのあたりを通過しているらしい。ニュースはどこもかしこも台風情報でもちきりだ。つまらない。
こんな雨の強い日は、私の大好きな小説を思い出す。

NO.6

主人公の紫苑みたいに私も叫んでみたい、なんて。
急にそんな衝動にかられた私はベランダの窓を開けた。
風と雨が勢いよく吹き込んでくる。無論私の部屋に環境管理システムなんてあるはずがない。

『ぅぁあああああああああああああああああああ!』

壊せ。破壊してしまえ。何を?全てを。すべて?
…そんなNO.6の一節を思い出しながら、私は紫苑さながらに両手をあげて叫んでみる。

『ふぅ。』

一息ついたところで我に返る。ヤバい。部屋の中がきっと大変なことになっている。お母さんに見つかったら怒られるだろうな。

急いで部屋の中に引き返し窓を閉める。あぁもう、自分も部屋もびしょ濡れだ。とりあえずタオルと雑巾をとってこなくちゃ…。
そう考え部屋を出ようとした私は違和感を覚えた。なんだろう。
そう、ベッドの布団が変に盛り上がっているような…。
ベッドに近づく。私今日パジャマ脱ぎっぱにしたんだっけ?
それとも何か邪魔だったものを突っ込んだ?
予測がつかないまま布団をそっとめくりあげるとそこにあった、いや、いたのは。

『…え?…いやいやいやありえないでしょ』

茶色の髪をした少年と、黒い髪の少年とがスヤスヤ眠っていました。


(え、紫苑!?ネズミ!?まてまてまて、おかしいでしょ。どうしよう、私、頭ヘンになっちゃった!?


っていう感じの逆トリ設定の長編書いてみたい。
2012.07.01



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