ベルモットに「貴方は頭は良いけど可哀想な人ね」と言われてムッとしながらも「好きに罵ってくれればいい。偉そうなことを言うけどベルモットだってどうせ同じ末路だ」と応酬する。
「同じ末路って言うと?」と訊ねると目も合わせず淡白な声音で「地獄」と返ってくるから、ああ…ってなる。そこから少しずつ距離が縮まって行く。けど結局そのせいでそれまで希薄だった色々な感情が芽生え始めて、人を殺すことに躊躇いを感じ始める。
見かねたベルモットが「貴方の目に私はどう映る?」と訊ねると女は口をつぐんだまま不安げな瞳で見詰め返してくる。「淘汰される側かどうか訊いてるだけよ」と言うけれど女は結局その問いには答えられず、ベルモットはなんとも言えない気持ちになる。危うい。
そこからコナンや蘭、灰原とも間接的に、時に直接的に関わっていく機会が増えていく。女の心がみるみるうちに不安定になっていくことが言動やふとした瞬間の表情に顕著に現れ始め、ベルモットは焦りを感じ始める。
組織の仕事は大体二人で行動するようになる。女は一人で平気だと言うけれど、ベルモットが「私が貴方に援護を頼みたいのよ」と無理矢理言いくるめる。
ある時、女が一瞬の心の迷いから敵への発砲を躊躇い、その隙をつかれ相手から銃撃を受けることになる。腹に銃弾を抱え、ピンチに陥る。遠くから援護をしていたベルモットには視線を移さぬまま、真っ直ぐ目の前の敵を見据え、女は独白する。

「淘汰されるべきは私の方だった」

今にも泣き出してしまいそうな表情を浮かべたまま、笑みまぐ。ベルモットは目を見開き、本の一瞬間、固まって動けなくなる。拳銃を握っていた女の手がゆっくりとほどかれるのが確認され、漸くしてハッと我にかえる。手から離れ落ちるものが床に打ち付けられるのを見届けるよりも先にベルモットは全てを理解し、息をのんだ。
気が付くとベルモットは見境無く敵を撃ち始めていた。

***

…あれ?プロット全部語ってしまったからもう駄目なのでは?

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