最近のベルモットは変だ。
任務で組まされる度思うことではあるが、まるで他者を気遣うような動きを見せることがここ最近になって急激に増えた。それだけなら勝手にすれば良いと思うだけの話なのだが、挙げ句の果てにはこちらにまでそれを要求してくる始末なのだから堪ったものじゃない。良い迷惑だ。人を殺すのに特別な思考なんて必要ないというのに。
そう告げるとベルモットは私の在り方は愚かしいのだと憐れむような眼差しと共に批難した。

容喙するのはおかしな話であり、不粋なことだと私は思う。逆説すれば、誰からの情意も私には何ら意味を持たない所業となる。それだというに、ベルモットは詮無い言葉を私に度々投げ掛けて来ては、満足行く返事が返ってこなければ物憂げな顔をする。私に何の期待をしているのかは知らないが、言葉による陶冶など馬鹿げている。事実ベルモットだってそうやって生きてきたわけじゃないか。何を今さら。

所詮は他人だ。水魚のように因むことは不可能で、例外があるとしても、それは、私ではない。私の世界にはエンジェルなんて空想めいたもの少しだって必要ないのだ。

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